小児矯正(予防矯正)
- 予防矯正とは?
- 歯並びが悪くなる最大の原因
- 筋機能矯正の方法
- 筋機能矯正の治療方法
- 治療期間
- 治療上の注意点・デメリット
- 治療の流れ(初回)
- 治療の流れ(2回目以降)
- 筋機能矯正に対する想い
- 症例報告
予防矯正とは?
予防とは予め防ぐことです。虫歯や歯周病に原因があるように、歯並びが悪くなることにも実は原因があります。
原因は以下に記載している様々な癖です。そして、これらの癖により顎の成長が妨げられることで正常に歯が並ばず、歯並びが悪くなってしまいます。
現代の子供の5人に4人は歯並びが悪くなっていると言われており、これは顎の発達不全であると言い換えることもできます。
当院の予防矯正治療では、歯並びが悪くなってしまったこれらの癖の改善にアプローチすることで正常な顎の発達を促し、結果として正常な歯並びを獲得することを目指した治療を行っています。
お子様のお口で、こんなお悩みありませんか?
- 口をぽかんと開けている(口呼吸)
- 指しゃぶりを続けている
- 唇を噛む、巻き込む癖がある
- 歯ぎしりをする
- 爪を噛む
- 舌をよく出す、歯に押し当てている
- 頬杖をつく
- 舌足らずな発音である
歯並びが悪くなる最大の原因はお口ポカン
イギリスの矯正医ジョンミュー先生は、『安静時に舌が口蓋に収まり、上下口唇が軽く合わさり、上下の歯牙が近接する』この状態を保てれば、顎は正常に発達すると説いています。
では、何故お口が開いてしまうのか?
原因は2つ考えられます。一つはアレルギーによる鼻詰まり。もう一つは舌小帯というベロの裏側のヒダが張っていることでお口が開きやすいことが挙げられます。
先ずはこの原因にアプローチすることが大切だと当院では考えています。
治療の目標
今までの矯正治療は歯並びが悪くなってしまっている状態で、歯並びをワイヤーを用いて整列させることでした。成長が終了してしまっている大人や中高生にはワイヤーを用いた治療を行う必要性がありますが、予防矯正治療は歯並びが悪くなってしまう原因にアプローチする治療となるためワイヤーを使用せず、取り外し式のマウスピース型の矯正装置を使用します。
歯並びや咬み合わせは、幼少期の生活習慣や癖などが大きくかかわってきます。
当院の治療は、上記のような癖やお口周りの筋肉の使い方を整えることで、結果的に整った歯並びが自然に獲得されることを目指していきます。
筋機能矯正の方法
お口の筋機能を改善する方法は、主に2つあります。
1つ目は、筋力トレーニングによる改善法です。ライザップなどをイメージしていただけるとわかりやすいと思います。矯正というと、何かしらの治療や装置をイメージしがちですが、根本的な原因は筋肉などの使い方です。まずはしっかりと癖を改善できるよう筋肉の使い方の指導を行なっていきます。
加えて、2つ目はマウスピース型の矯正装置「オーラルフィットネストレーナー」を利用して、お口周りの筋肉の動きや舌の使い方を覚えていく方法です。こちらは筋トレでいう鉄アレイをイメージしていただけるとわかりやすいと思います。癖を改善するための補助措置としてお口の中の筋肉(舌)と外の筋肉(唇・頬)のバランスを取りやすく保ち、正しい位置に舌を導いてくれます。
マウスピース型矯正装置『オーラルフィットネストレーナー』
当院で使用する矯正装置は歯を並べるためだけの装置ではありません。
基本的にはお口周りの適切な筋肉の使い方と適正な筋力を獲得するための装置となります。
日々の筋力トレーニングの成果が出やすいように、トレーニングの段階やお子様の状態に応じて装置の種類は変わります。
基本的にはお口を閉じる訓練から始まるため、柔らかい装置から徐々に硬く筋肉への負荷が高い装置へと変わっていきます。
筋機能矯正のトレーニング
筋肉トレーニングは、舌・唇・頬・飲み込み・息の仕方・正しい姿勢・発音などお口周りの筋肉に関わる様々な癖に対応しトレーニングしていきます。
トレーニングの種類は100種類以上あり、徐々にレベルアップしながら楽しく行なっていきます。
トレーニングは1日3回、一回が5分〜10分程度です。
筋機能矯正の治療方法
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01.
SUP
(スタートアッププログラム)- 土台作りは短期集中の方が効果が高いと当院では考えています。
- そのため最初の3ヶ月間は週一回の通院で筋肉トレーニングを中心に土台作りを行います。
- 塾のような感覚で来院くださるとお子様も楽しくトレーニングを続けられます。
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02.
OM
(装置を用いた月1回のトレーニングプログラム)- 短期集中で土台作りを行うことで、装置の効果とトレーニングの効果が非常に出やすくなっています。
- ここからは更にトレーニングのレベルと装置のレベルもあげていきながら、しっかりと口腔周囲の機能の改善を図っていきます。
- 装置の種類にもよりますが、ここからはおおよそ月1回の通院で、歯並びとトレーニングの状態を確認していきます。
治療期間
歯並びが悪くなる原因は顎の成長を妨げる癖や筋肉の使い方です。
そのため、当院では先ずは筋肉トレーニングを中心に短期集中プログラムで3ヶ月間週一回通院して頂き、筋肉の土台作りを行います。
その後、土台が出来上がったら月1回から2回の来院間隔で1年〜2年かけて正常な顎の発育を促しながら、装置を用いた治療へと移っていきます。
正常な発育と癖の改善、適切な歯並びの状況を確認できるまで治療期間はかかりますが、最短で1年半、最長3年程度の治療期間となります。
筋力アップと癖の改善には、本人の努力と親御さんの協力が不可欠です。
※ 3年経過しても改善が見られない場合は通常の矯正治療に移行する場合があります。
治療上の注意点・デメリット
- 口腔内、歯並び、鼻疾患の状態により、対応できない場合があります。
- トレーナーの装着時間を守らない、トレーニングの取り組みが不十分な場合、治療効果が得られません。
- 治療経過を確認し、治療期間を延長したり、治療方針を変更する場合があります。
- トレーナーに強い力をかける(引きちぎる、踏みつける、歯軋りなど)と破損する場合があります。
- 体質によっては、アレルギー反応が出る場合があります。
- 保険適用外(自費診療)の治療です。
- トレーナー装置の装着に慣れるまでは、外した際も違和感を感じることがあります。
治療の流れ(初回)
- 01
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02
受付・ヒアリング
初診時は、保険証をご提示ください。
問診票をお渡ししますので、症状や慢性疾患の有無などご記入ください。
問診票をもとに、お子さまのお口の状態・体の状態、生活習慣、お悩みごとをお伺いします。 -
03
検査
まずは、全身の状態を撮影・検査します。
現在の状態を正しく確認することが、治療の第一歩です。 レントゲンで歯・顎・顔を撮影したり、口腔内、お顔、全身の写真撮影などを行います。 また、気道の3次元的評価や歯並びの3次元的な記録、計測も行います。 -
04
カウンセリング
問診票や検査の結果をもとに、1人ひとりに合った治療方法をご提案します。
治療計画・費用に納得いただいた後、治療を開始します。 -
05
トレーナーのお渡し・自宅でのトレーニング指導
医院で行うことはトレーニングのやり方や装置の使用方法の指導です。
ここからはお家でどれだけ頑張れるかが、治療効果が出るかどうかの分かれ目です!
1日3回、しっかりと習ったトレーニングを継続していきましょう!
治療の流れ(2回目以降)
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01
診察、トレーニングの確認
最初の3ヶ月:週1回
その後月1〜2回カウンセリング、装置お渡し後、最初の3ヶ月は毎週トレーニングのチェックを行います。月1回は写真撮影を行い、3ヶ月終了時に再評価を行います。
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02
目標達成
目標達成時には素敵なご褒美もあります。毎回のトレーニング目標を達成して、治療効果をしっかりと得ることでより良い歯並びに近づけていきましょう!
筋機能矯正に対するあかま歯科の想い
歯医者に関わる病気には虫歯、歯周病、歯並びの3大疾患があります。
そのどれもが、生活習慣病だと言っても過言ではありません。
大人になってからの予防は、未然に防ぐ予防ではなく、次に再発しないようにする予防です。
しかし、子供は違います。まだ大人の歯が生えていない小さな子供たちは虫歯にならず、歯周病にもならず、歯並びも整い、お口のことに何も困らない、悪くならないように未然に防ぐ真の予防が出来る、そんな無限の可能性を秘めています。
可能であれば歯医者で虫歯の治療などの嫌な思いをして欲しくない、歯医者そのものが楽しい思い出を作れ、子供達が将来お口の中から健康を維持していけるようにお手伝いをしていきたいと考えています。
当院のビジョンの一つに
『自主性と自己成長を尊重し、セルフコントロールできる人を育てる』
というものがあります。
これには我々あかま歯科スタッフ一同の想いが込められています。
子供達のお口の健康をどうしたら保てるのか、虫歯や歯茎の病気にならないためにどうすれば良いのかを教え、そして歯並びが悪くならないように健全な成長のお手伝いをしていきたいという想いが込められています。
どうか子供達の健康に親御さんの理解と協力を頂き、少しでも子供の健やかな発育に貢献出来ますと幸いです。
ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。